-
ふたりたち / 南 阿沙美
¥2,200
写真家・南 阿沙美さんによる、はじめてのエッセイ集「ふたりたち」。 友人、夫婦、仕事仲間、親子、人と犬……12通りの「ふたり」の気配を、写真と文章で描き出す。一番小さくて、一番大きな物語です。 南さんの作品集は、「島根のOL」を拝見したことがあって、ナチュラルな表情がとても素敵で被写体との関係性を気付くのがとてもお上手だなと思っていました。 文章を読むのは初めてでしたが、南さんの素直さが言葉にもそのまま現れていて、(あぁ、あの写真を撮る人の文章だ。)と妙に納得したのでした。 わたしが好きだったのが、音楽ユニットを組むご夫婦「いたむらさんと酒井さん」と、ホームレス支援の活動で出会った「上田さんとTさん」。 それぞれのふたりの時間に流れる「ささやかさ」にとっても癒されました。 あまりに素敵な“ふたり”ばかり出てくるので(わたしはこんなに素敵な関係を誰かと築けるのかしら….)と不安になりそうなところ、南さんはこう語りかけてくれます。 自分はひとりだなあ、という人が、さみしくならないような本を作りたかった。 それは、私のためでもあった。 私もひとり。この本に出てきた人もみんなひとりずつ。 誰かとふたりになった時に、またおもしろい自分に出会えるように。 私は、そんなふたりをひとり自分の位置から眺めて、写真を撮って、思い出す。 (本書「あとがき」より) 南さんと作品を読む・みる私たちでもう関係がはじまっています。 そのことに気づくととても温かく優しい気持ちになるのです。 疲れた時、なんとなく寂しい時、何度でも読みたい1冊です。
-
整体対話読本 お金の話
¥2,198
芸術活動に従事する女性たちと、整体指導者・川﨑智子さんのお金にまつわる対話の記録です。「お金ってそもそも何だろう?」「お金への不安はどこから?」普段は人前で話すことを避けがちなお金の様々な悩みや疑問を、〈芸術 ≒ 整体〉というフラットな視点から見つめます。意識が変わればそれはやがて行動へとつながっていく。心身ともにお金の価値観をときほぐす、全く新しいお金の本です。 わたしがとても頷いたのは「食べるために働いたら食べるために使う」こと、「まずつかんでるものをゆっくり手から離して手を空けとく」という言葉。整体には貯蓄の考え方がないとか。動かし続けること、空っぽでい続けることがお金のあるべき姿、自らの健康や生活の営みに作用していくのかもしれません。 川崎さんの言っていることはわかるんだけど、整体の視点だからかどう自然に体を動かせるようになるのかうまくイメージがわかないなと思うところがちらほら。そして実践するかどうか。これが本当に難しいんですよね。作中で参加者の皆さんが会を重ねるごとに思考が柔らかくなっていったように、わたしたちも繰り返し繰り返し、本を開いて、読んで、選んで、そして実践していく必要があるのだと思います。
-
整体対話読本 ある / 話し手:川崎智子、聞き手:鶴崎いづみ
¥2,197
整体の祖といわれる野口整体の指導者である川﨑智子さんが鶴崎いづみさんに呼びかけて始まった、3年に渡り交わされたからだに関する対話を記録した1冊。 会話文なので読みやすく、整体の入門書としてもおすすめです。 話題は、からだを中心にしながら、仕事、子育て、愛、食べること、死についてまで。生きることのすべてに通じた興味津々のテーマがいっぱいです◎ わたしが特におもしろかったのは「つくる人」のお話。川﨑さんの「そうありたいよりも、そうなりたくないものの方はどんどんやめてくっていうのが一つ、楽になる方法だと思います。煮詰まることがないように、体の負担にならないように。」という言葉がじわりと温かくひびきました。ついつい、「やりたいこと」の方ばかりおいかけ何も浮かばないと焦ったりして。そんな時にまさに目から鱗の言葉でした。言葉の意味や、いまの自分の考えに当てはめたりしていると、身体が柔らかくなるような?血の巡りがよくなるような?不思議なかんじ。思考することが一種の整体なのでしょうか。
-
家の神さま 民間信仰にみる神と仏【 鶴岡コレクション 】/文・鶴岡幸彦、写真・西岡潔
¥3,300
かまど神・大黒・恵比寿・荒神さん、寝牛に神馬、狐に蚕神……招き猫まで 国宝にも重文にもならず、ススとホコリをかぶった味わい深い木彫りの神さまたち。畏怖よりはほほえましさが先に立つ、どこかとぼけた味わい。仏師の手によるものではない民間神は、素朴でのびやか、そしてユニークです。なんとなくほっとする身近な神さま。知る人ぞ知る貴重な民間仏コレクションを、写真家西岡潔が撮り下ろしました。主に江戸時代以降、昭和初期までの庶民の祈りの対象を約150点収録しています。 時を経て、こんなに素晴らしい本と出会えるとは感無量。個人家屋で保管されていたであろうものが多く一層魅力的。形や表情のユニークさに思わず笑みがこぼれます。そして写真に添えられた鶴岡さんの言葉が良くて……しっかりとした解説から、作り手が不明のものには感想が添えられていて、一言一言から鶴岡さんのやさしい眼差しが伝わってきます。 何度も見返してはその時どきに自分に必要な神さまに祈る、なんて贅沢使いも良いかも知しれない。新しい祈りの形を見いだしましょう◎◎
-
堀さんセット(金継ぎ強)
¥3,280
「うるしと漫画とワタシ」と「堀道弘が修繕したもの つくろい」のセット。 「つくろい」は堀さんが金継ぎ部で修繕したものの写真とコメントが掲載されています。 リソグラフ印刷なので修繕品がより味わい深くみえます◎
-
うるしと漫画とワタシ / 堀道弘
¥1,980
うるし」と「漫画」ふたつの世界をホリゾンタルに歩む堀ワールドの秘密を、その仕事と生活から探ります。 堀さんは、富山で漆の学校を卒業し、職人としての腕を磨きながら、同時に漫画家としてもデビュー。独特のユーモアを持つ漫画家としての活動を続けながらも、漆による器の修繕を教える「金継ぎ部」を主宰したり、漆の漫画を描いたり、イラストレーターとしても活躍するという多彩、異才の持ち主。 作中では、堀さんの幅広い活動、作品の魅力を伝えるのに、人生の三大師匠(ミュージシャン:ピエール瀧・漆芸家:赤木明登・漫画家:久住昌之)との対談や、友人家族の証言、これまでに製作物や収集品の紹介など、盛りだくさんの内容です。
-
風をとおすレッスン / 田中真知
¥1,980
SOLD OUT
中東やアフリカで長年過ごしてきた著者が、旅の経験や、古今東西のさまざまな文化や文学作品などの例をとおして、人と人との「あいだ」、また自分自身の中の「あいだ」を見つめ、そこに風をとおし、互いに自由になれる関係をつむぐ道を考える。「私」も他者も大切に、軽やかに生きていくレッスンの始まりです。 自分の心の中に他者をつくる、隠しておきたいことをそのままに受け入れること、わからなさが世界を彩っていること、自分には見えていない世界があると認めること。 自己と他者、自己と自己のあいだで絡まる糸を、ゆるめていくにはどう考えたら良いのか。田中さんの豊かな経験と秀逸な引用がやさしく私たちを導いてくれます。 生活していると、知らず知らずのうちにいろんなものから呪いのような言葉をかけられていて、自分の声がかき消されていきます。本音なんてわかんなくなってく。 どうやって自分の声が掻き消されていくのか、その仕組みさえ知れば、いつでも自分の声は取り戻せるし、ひいては他人のことを考える余裕ができたり、関係の間合いが取りやすくなるはずです。田中さんの言葉は優しい山の天然水のよう。わたしはぱちゃぱちゃと顔を洗ってさっぱり!とした感覚になったんですが、ゆっくり飲んで体中にしみこませたい、なんて方もきっといらっしゃるはず。とにかく読みやすいのでいろんな方におすすめしたい1冊です。
-
偶偶放浪記 / 小指
¥1,980
小指さんといえば、エッセイも面白いんですが漫画も書いていらっしゃる多彩な方。 この作品は旅漫画と旅エッセイがぎゅっとつまっているので、小指さん作品ビギナーの方でも楽しめる1冊です 宿も食事も想定外は当たり前。巻き込まれる奇怪なアクシデント、時代に取り残され失われつつある光景、交錯する記憶……偶偶(たまたま)が偶偶をよぶ不思議な旅の世界、読めばきっとあなたの偶偶を探しに出たくなるはずです。 わたしが一番行きたくなったのは「神津島」。 小指さんたちが伊豆大島に降り立つはずが船を乗り過ごし偶然見つけた島でした。 神が集う島と呼ばれて、今も立ち入ってはいけない聖域や伝説が語り継がれているそうなんです。島の神様のようにそびえ立つ天上山からの景色、見てみたいです◎
-
モノとイトナミ -世界の暮らしと文化365- 日めくりカレンダー
¥3,960
一日一つ、モノをとおして世界を旅する日めくり万年カレンダーです。 国立民族学博物館(https://www.minpaku.ac.jp/) の特別協力のもと、世界の人びとの暮らしに関わるモノ366点を、7つのカテゴリーから紹介。 各地の民芸、工芸、生活道具や音楽、芸術、信仰に関わるモノなどについて、厳選された写真とともに、17名の様々な分野の専門家に解説いただいています。 めくりながら、世界のどこかの、見知らぬ誰かの暮らしに思いをめぐらせてみませんか。 <売上の一部を難民・避難民の支援に> このカレンダーの売り上げの一部は、特定非営利活動法人 国連UNHCR協会(https://www.japanforunhcr.org/) を通じて、世界の難民・避難民支援のために役立てられます。 ◎万年タイプですので、いつからでも、いつまでもお使いいただけます。 ◎プレゼントにもどうぞ(ギフト包装可、備考欄にギフト希望とお書き添えください)
-
うみべのストーブ / 大白小蟹
¥880
「うみべのストーブ」は短編7編から成る一冊。小蟹さんの澄んだまなざしでもって描かれた、絵と物語に心が震えます。 わたしが一番すきなのは、「海の底から」というお話。小説を書いていたことがある主人公は、仕事で忙殺される日々を送り、本来の自分がやりたかったことに向き合えずにいる生活者の葛藤を描いた物語です。生活の基礎を築くことで精一杯な時期がありますよね。 最中にいるときは「それだけ」が自分の人生のように思えてきてしまいます。でもきっとそれはただ途中地点で、各々のタイミングでやりたいことに向き合うべきタイミングはくるはず!大丈夫、大丈夫と背中をぽんっとおしてくれるような作品です。
-
遠野セット
¥2,860
富川岳さんの著書「本当にはじめての遠野物語」と「異界と生きる」のセット販売です。 これで必ず遠野に行きたくなる...!!!
-
異界と生きる / 富川岳
¥880
「私たちのすぐそばにある「異界」も、入る前は不気味で恐ろしいものと感じるかもしれないが、勇気を持って一歩踏み込んでみれば自分の知らない豊かな世界が広がっているはずだ。」( 本文より) 2016年に遠野に移住した富川さん。きっかけはあくまで「地域活性プロジェクト」の立ち上げで、 遠野物語の存在も知らなければ、三年で東京に戻ろうとさえ思っていたそうで。 新潟ご出身の富川さんが縁もゆかりもない遠野にどうやってハマっていったのか、移住してどんな経験をされたのか、地域の中で生きていくとはどういうことか、独自の民俗学的視点をもって綴っています。 わたし自身、故郷の山口の文化には心が沸き立たなかったのに、秋田の文化にはずるずると引き込まれていった経験があったので、富川さんの機微には共感するところがありました。 地方で何か始めたいと考えている方、日本の文化や伝統に興味がある方、遠野が好きな方ぜひ手にとってみてください。
-
本当にはじめての遠野物語 / 富川岳
¥1,980
1910(明治43)年、柳田國男が自費出版で350部を発刊した「遠野物語」。 主人公はいない。長編小説でもない。 ファンタジーでも迷信でもない。 もう一つの世界を巡る、本当のお話。 柳田と喜善の出会い、個性豊かなキャラクター、遠野の地理、 をわかりやすく紐解いていきます。 「願わくばこれを語りて平地人を戦慄せしめよ」 変わりゆく時代へ、そして変わりゆくわたしたちへのカウンターパンチとして 繰り出された遠野物語の世界をご堪能ください!
-
自然のレッスン / 北山耕平
¥902
SOLD OUT
「この本はとりあえずいまの生活をもうすこしましな方に変えたいと考えているひとの役に立つことを願ってつくられました。」こうしてはじまるレッスンはこころ、からだ、たべものの3部構成で、詩(ポエム)としておおらかにわたしたちに語りかけます。 放っておくとわたしたちは不自然な方へすぐ歩いていってしまいます。苦しさを感じた時にページをめくる、背筋を伸ばす、深呼吸をする。特効薬的に持っておきたい一冊です。 でも、どうしたって今の世の中では難しいこともあります。感じるところから試していきたいですね。
-
一日が長いと感じられる日が時々でもあるといい / 小沼理
¥1,980
日記を書くことは、日本で生きているゲイ男性の1人としての「アクティヴィズム」でもあった 人文系ライター・編集者の小沼理さんが、一緒に暮らす同性のパートナーとの日々や、新型コロナウイルス、東京オリンピック、元首相銃撃事件など、著しい社会変化の中で感じた迷い、怒り、喜び、苦しみを綴った3年間の日記をまとめた1冊です。 世の中で起こるニュースともに、たいてい言葉の波が立ち上がります。その波があまりにも大きい時、わたしはすぐに流されそうになってしまう。 小沼さんは自身が何を感じたか、丁寧に向き合い、その考えに至るまでのプロセスも日記の中できちんと伝えてくれます。 はっきりとした意志は伝わってきながらも、文体が柔らかいので押し付けがましさがなく、冷静さをもって自分の思考を広げられる。 (あの時、わたしは何をして、何を思っていたんだっけ)誰もが混沌としていた3年間を今ゆっくりと小沼さんと一緒に振り返ってみませんか。
-
みんなもっと日記を書いて売ったらいいのに / 小沼理
¥1,320
"「今回もだめだった」という経験を繰り返すと、できないとか、自分に向いてないとか思うようになっていく。それは「はじめたからには続けなくちゃ」と思うからであり、世の中的になんとなく継続が美徳っぽい感じになっているからでもあるだろう。でも、そのせいで続かないことに後ろめたさを持ったり、もう一度はじめることに身構えたりしてしまうくらいなら、どんどん適当になったほうがいい。いつでも何回でもやめて、またいつでも何回でもはじめたらいい。" 個人が日記を書き、売る。その行為の先に何があるのか。日記を書くこと、そして売ること。ライター・編集者、小沼理による、日記にまつわるエッセイ集。細長いペーパーバックタイプの判型にこだわった、雑誌『つくづく』が刊行する"つくづくポケットライブラリー"のうちの一冊。 (2023年・つくづく)
-
35歳からの反抗期入門 / 碇雪恵
¥1,210
他者との関わり、愛、性、フェミニズム、映画。碇さんが日常で見たもの、読んだもの、起こった出来事から思考し、時には迷いながらも突き進む姿はたくましく、やさしさとユーモアがあふれています。何度読んでも新しい発見や問いがうまれる1冊です◎ 「いつだって、人にやさしくしたり、やさしくされたりしたい。だけど、自分の想像の及ばない価値観を持つ他者に、やさしくなんてできるのだろうか。わたしは誰に対してやさしくしたり、されたりしたいのか。両親や兄弟にやさしくできない代わりに、誰かにやさしくすることで埋め合わせしたいのだろうか。」(本文より) 新しく付箋をした箇所。果てしなく続く「やさしさ」問答の沼に自らハマっていく。。。
-
夫婦間における愛の適温 / 向坂くじら
¥1,870
「まずもって、あの夫というやつは臆病すぎる。合理的であるということを隠れ蓑に、ただ予期せぬものの訪れを怖がっているだけ。なんだい、なんだい、びびりやがって。くされチキンがよ。だいたい、すべて計画通りの毎日なんてつまらないじゃないか。(中略)そのくされチキンがある日、なんの前触れもなく急須を一式買って帰ってきた」(本文より) 向坂さんといえば、初小説『いなくなくならなくならないで』が第171回芥川賞候補作品にもなりました。 一番近い他人「夫」との暮らしが詩人ならではのリズミカルで緻密な言葉で綴られた散文集。 夫、友人との距離感、生徒さんとの会話の感じがとても直向きで、なるほどこれが愛かと。 人それぞれ形があるのはもちろんだけど、暮らしのヒントにしたくなる考え方が満載です。
-
野中モモの「ZINE」小さなわたしのメディアを作る / 野中モモ
¥1,650
自らZINEを作り、探し、紹介してきたライターの野中モモさんがZINEの世界をまとめた「小さなわたしのメディアを作る」。自身の経験や同じくZINEのとりこになった人たちの声を伝えてくれる1冊。 日本各地でZINEのイベントが開催されるようになって、作品に触れる機会が増えること、出店する機会が増えることは喜ばしいことです!「好きを表現する」をずっと続けていくために、ZINEとは何か?そのおもしろさ・豊かさとは何か?改めていま考えてみませんか。
-
食べ歩くインド 増補改訂版 / 小林真樹
¥4,290
旅行人から刊行されていた小林真樹氏著作『食べ歩くインド』の北・東編と西・南編を合本、それに新たな情報も付け加えた増補改訂版として刊行。 デリー、コルカタ、チェンナイ、ムンバイといった大都市はもちろん、インド全土を巡ったインドの食のリアルレポートです。ビリヤニ、ミールスといったインド料理が日本でも少しずつ定着してきていますが、これらのインド現地での話だけでなく、日本ではほとんど紹介されていないようなインド料理についても多く言及されています。著者の小林真樹氏はインドの食器、調理器具を輸入販売している有限会社アジアハンターの代表であり、いままでのインド旅で得てきたインドの食文化、料理をオールカラー656ページで徹底的に詳解しています。インド料理が好きな読者はもちろん、インドやカレーに興味がある読者には待望の一冊です。 20年の食べ歩きのキセキだと思うとこの厚み(4.5cm)は妥当...!!!
-
日本の中のインド亜大陸食紀行 / 小林真樹
¥2,420
日本にいながらにして異国気分。 インド、ネパール、バングラデシュ、パキスタン。 日本に於ける南アジア料理の現在を徹底紹介。 北は北海道から南は沖縄まで、日本各地にたくましく生息するインド亜大陸出身者の生活や宗教・商売を食を通じてリポートした1冊。 専門的なカレー屋だけではなくて、宗教施設の日本各地で礼拝後に振る舞われる食事や、個人的に親しくなった家庭の家庭料理など、知り得なかった情報が盛り沢山。作中に出てくる「食事コミュニケーション」という言葉に思わず唸りました。小林さんが築き上げた食事コミュニケーション力でもって、覗き見させていただける....感謝です。
-
土民生活流動書簡集(一) バックレ可(笑) / よしのももこ
¥1,600
ぐるぐる迷走していた首都での暮らしからバックレて、家族とともに離れ小島へ流れ着いた「わたし」は、トモエ学園、ルイス・ミショーのナショナル・メモリアル・アフリカン・ブックストア、大杉栄の「鎖工場」、中島正の自給農業、石川三四郎の土民生活などを日々の生活に織り込み、都会では起こりようもない出来事に振り回されながら、徐々に生きているを取り戻していきます。 「土民生活流動体」という署名の他には何の手がかりもないけれど、いつかの〝今〟に存在した「わたし」が書き残した手紙らしきもの。引き戸の奥で忘れ去られようとしていた紙の束と遭遇したももこさんは、50年後100年後の誰かのためにそれらを本に編み始めました。小説?エッセイ?書簡集?形式にとらわれない、まさにももこさんにしか書けない言葉、ももこさんにしか作れない世界が存分に味わえる1冊です。
-
未整理な人類 / インべカヲリ★
¥2,310
路上の怪文書から、不幸の手紙まで。なぜ人は、理屈でわりきれないことに熱中するのか。鋭い観察眼とブラックな笑いで現代社会を斬る、異色ノンフィクション。 人間は一番のブラックボックスで、未整理なことだらけだ。となると、「止めたくても止められないもの」「なぜか分からないけど、そうなってしまったもの」「体が勝手に動いたもの」にこそ、人間の本質が現れるのではないか。とインべさんは問いを立て、人類の未整理な行動を突っついて、綺麗にまとめることもなく、放り投げてみようという試みた1冊です。 インべさんの視点は本当に面白くて、かつ語り口も爽快なので、興味をぐんぐんぐんと駆り立てられます。日頃抱いていたちょっとした違和感とか、世の中ではダメとされているけど共感できる部分もあるよね、といういったりきたりな気持ちをうまくまとめてくださっていてわたしはもう頷きが止まりません。こんな風に少し変わった角度から世の中を見る方法を教えてもらえると、街を歩いたりニュースを見たりするのが楽しくなります!
-
野生の道具Vol.1「アフリカの手仕事」/ randonneur publication 小海響
¥1,500
『野生の道具』は効率重視の資本主義社会から少し距離を置き、世界各地の風土から生まれ、そこに根ざした手仕事の道具たちを追いかけていく雑誌。Vol.1はアフリカの手仕事の道具たちを見つめ、その周辺で活動する人たちを取材しました。 椅子、布、カゴ、首飾り、箒など美しい写真と、その道具の使われ方の説明3つの章立てで紹介されています。また、コートジボワールを旅した小海さんのエッセイ、シエラレオネ共和国でアフリカ布の商品開発・販売をしているNPO法人アラジンの下里さんへのインタビュー、 世界各地のローカルマーケットを紹介するコラムなどもあり盛り沢山の内容! 市場や街の様子がわかる写真からは、道具の日常の姿を見ることができてぐっと親近感が湧いてきます。